広島市の広島城天守が、老朽化などを理由に2026年3月22日に閉城するまで、2025年12月12日で残り100日となりました。鉄筋コンクリート造の現三代目天守は1958年の復興博覧会を機に再建されてから67年間公開され、2025年8月時点で延べ来城者数は1,300万人を超えています。閉城後は天守内部に入場できなくなりますが、外観はこれまで通り外から観覧可能とされています。

閉城後の天守を「復元」「修繕」「解体」のどれにするかは、現時点で決まっていません。広島市は有識者による「広島城天守の復元等に関する検討会議」を設置し、大天守や小天守、廊下部分を含む天守群の木造復元が可能かどうかを検討中です。石垣の現状調査や史料収集を進めるとともに、解体や復元に伴う考古学的・工学的な課題、史跡への影響について専門家の意見を集約しています。

天守内に保管・展示されている歴史資料は、2027年開館予定の新博物館「広島城三の丸歴史館」に移転する計画です。閉城後も、広島城二の丸の復元建物と、2025年春にオープンした広島城三の丸の各施設は継続して開館・営業し、城郭エリア全体として観光機能を維持します。

現天守では、第四層企画展示室で最後の企画展「広島城天守 ー 時代を超えて語り継がれる物語」を開催中です。1589年の築城開始から、1931年の国宝指定、1945年の原爆による倒壊、戦後の仮設二代目天守(1951年)を経て三代目に至るまで、約400年超の歴史を多角的に紹介し、広島の象徴としての意義を問い直しています。

最上層(第五層)の展望室からは、堀を行き交う遊覧船や渡り鳥、再開発が進む広島市街の景観を一望できることから、閉城前の駆け込み来場も見込まれます。今後は、検討会議による議論の行方と、新博物館の準備状況が、広島城エリアの観光・文化拠点としての姿を左右するとみられます。

【施設情報】

広島城

所在地 広島市中区基町

問い合わせ 広島城アソシエイツ事務局(代表法人 株式会社中国放送)TEL 082-222-1137

source: PR TIMES

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